股関節にはいろいろな病気が有ります。特殊な形状で構成された関節であるため様々な原因で障害が発生します。
股関節は、大きく分けて①体幹の骨盤(寛骨)、②大腿骨頭、③骨頭頚から大転子領域の3つの領域で構成されます。
小型犬では成長期に骨頭頚から骨頭への血行が不足し、骨頭の成長が未完成で体の成長についていかず変形してしまうことがあります。変形してしまった骨頭によって引き起こされる股関節の痛みは内科的な治療ではなかなか改善せず、手術を行うことが最良の方法となります。
さて、1歳未満のポメラニアンの男の子3ヶ月前から後肢を挙げて痛がることがあるとのことで来院。レントゲン検査から骨頭の変形が確認され手術を行う運びとなりました。
手術は大腿骨頭および骨頭頚切除術を行います。
手術前 手術後
上のの写真の様に痛みの原因となる部分を取り去ってしまう・・・いささか乱暴な治療のような感じがしますが、非常によく選択される方法で、もちろん医学的根拠もある方法です。術後のリハビリをしっかりと行えば2~6週間で痛みのない自然な歩行を取り戻せます。
下の写真はリハビリ中の風景(術後2日目)です。当院のリハビリサポートドッグ(おっぽちゃん)と楽しく遊びながらリハビリをしてくれています。