紐状異物の誤食
ワンちゃん、ネコちゃんは遊びの延長上で誤食をしてしまうことが度々あります。
その中でも検査や治療が困難となりやすいのが、紐状異物の誤食です。
紐状異物の誤食の発生に季節性は無いのですが、1週間の間に3例の患者様が来院されたためトピックとして報告します。
紐状誤食による胃腸障害の特徴は、
@ 当初、元気食欲はあるが少量しか食べれない
A 元気はあり、たくさん(普段通り)食べると1時間程度で吐いてしまう
B 上記の症状が2〜5日続く
C 徐々に下痢をするようになる
紐状異物の厄介なところは、通常血液検査・超音波検査・レントゲン検査で速やかに診断がつかないところです。そのため診断に時間を要しどんどん治療が困難になっていきます。
今回、当院では新たな超音波検査機器を導入し若干ながらも診断にかかる時間の短縮に成功しています。
小腸内で閉塞した紐状異物は速やかな摘出手術が必要となります。
上記のように閉塞から出来るだけ速やかに診断・手術と移行できれば、経過は非常に良好です。
逆に遅れると閉塞により小腸が血行障害による壊死を起こしてまい、予後不良(命の危険性)となる場合もあります。