ペットの中毒性物質
今回はチョコレートです。
玉ねぎと同様、犬や猫に与えてはいけないものとして、最近ではオーナー様の間で常識になりつつあります。
〜病態〜
チョコレートの原料であるカカオに含まれるカフェインやテオブロミンという物質を犬や猫はうまく分解することができないため、中毒症状を引き起こします。
〜症状〜
人のカフェイン中毒と類似した症状を呈します。
頻脈
興奮
嘔吐・下痢
けいれん・意識障害など
テオブロミンの中毒量は20r/sといわれていますが、個体によっても異なります。
また、ミルクチョコレートよりもカカオ含有量が高いブラックチョコレートなどはテオブロミン量が多いので、ほんの少しでも口にすると大変危険です。
甘い匂いで口に入れてしまうわんちゃんが多いので食べ物の管理には気を付けてくださいね。
カフェインはチョコレート以外にも様々なものに含まれています。
紅茶や緑茶(特に玉露)にも含まれていて、茶葉を誤食して来院される方もいます。
玉ねぎ中毒と同じで特効薬は存在しないので、胃洗浄や催吐処置、活性炭の投与などを行います。神経症状などが見られるときはそれに合わせて投薬を行います。
一番大事なのは、催吐させて吸収される量をできるだけ減らすことなので、チョコレートなどを少量でも口にしてしまった場合は、すぐに病院に連絡して受診してください。