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2018年4月

2018年4月の記事一覧です。

成長板閉鎖前の前腕骨の骨折


小型犬、特に手足の長い犬種での前腕骨の骨折は遭遇の多い疾患のひとつです。

当院ではさまざまな骨折症例が来院します。

今回生後3ヶ月のまだ骨端線の閉鎖していない橈骨、尺骨の骨折に対しての治療経過を少し報告したいと思います。

 

(症例)

イタリアングレーハウンド  3ヶ月齢

自宅内での右側前腕骨折


 


 

手根関節から10mm、骨端線から5mmのところでの横骨折

 

治療方針としては、

ピンによる内固定(団子の串のように)と外固定の併用

プレートによる内固定と外固定の併用

のどちらかとなります。

どちらにしても一長一短であり、患者の状況によって選択します。

今回は骨端線から骨折までの骨部分が実際は亀裂していたこと、骨端線でも骨折していたことから、プレートにLCPを使用して外固定と併用しました。

 

ご存知のとおりLCPは少ないスクリューでの十分な固定が可能なプレートですが、今回はそれでも骨折端遠位には1本のスクリューしか入れられない状況でした。DePuySynthesの担当の方と相談してプレートを選択しました。

 

 

 

 

 

骨端線を挟んでのプレート固定は、術後に尺骨との成長の差による障害が起こりうるため通常は行いません。今回はリスクとメリットの判定が難しい症例でした。

 

今回の症例はかなり活動性の高い(3ヶ月では当たり前ですが)ワンちゃんだったので、3週間の入院によるケージレスト、外固定、キセノン光による温熱治療を行いました。

骨折治療のキモは術後の管理です。

 

無事術後3週間して患肢も使用した歩行が可能となりました。骨折線の癒合も確認され始めてきました。

 

今後は可能な限り早い段階でのプレート抜去を行うことが理想です。