お知らせ

マンソン裂頭条虫


 

 

こんにちは(*’’)

本日は寄生虫のお話です。 

2歳の猫ちゃんで嘔吐物の中に細い紐状の虫がいたということで来院されました。

食欲や活動性に変化はなく、元気いっぱいということです。

生後34か月ごろに道端で保護し、消化管寄生虫駆除のお薬も飲ませてあり、保護してから外に出たことは一度もありません。

 

まずは寄生虫の種類を同定できないか、便検査を行いました。

すると便中にはたくさんの虫卵が!!

マンソン裂頭条虫といいます。

虫卵は楕円状で、よくみると左右不対称かつ片方の先端に卵蓋といわれる蓋があります。

室内飼いの猫がこの寄生虫に感染することはほとんどなく、感染しても今回のように健康を害することはほとんどありません。子猫では発育不良や削痩などの原因になります。

 

マンソン裂頭条虫は幼虫から成虫になるまでに3回宿主をかえて成長していきます。はじめはミジンコ、その次がカエルやヘビ、そしてそれらを捕食した猫や犬に感染してお腹の中で成虫になり卵を便中に排出します。

 

治療法はプラジクアンテルという駆虫薬の投与です。条虫は予防薬もありますが、裂頭条虫はほかの条虫よりも高用量で薬を投与しないと効果がないので、感染時は注射薬などを使って駆除します。基本的には室内で飼っていればカエル等を口にすることはないと思いますので、感染の可能性はほぼありません。

 

今回の猫ちゃんはおそらく保護される前にカエルなどを食べて生活していて感染したのでしょう。