お知らせ

玉ねぎ中毒


 

近年、ペットの室内飼育が一般的になり、自宅内での誤食が増えています。

当院でも月に何件かは誤食で催吐処置や内視鏡検査などを行っています。

 

おもちゃやペットシーツなど様々なものを食べて来院されますが、玉ねぎなどはペットに有害と分かってはいるけれど、その中毒症状については知らないという方も多いです。

そこで、これから何回かに分けてペットに有害な食べ物について紹介していきますね(*'ω'*)

 

 

今回は玉ねぎについてです

ちなみに玉ねぎ以外のネギ類(ニンニク、にら、ラッキョウ)などもNGです!

 

 

~病態~

ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物が血液中の赤血球を破壊することで中毒症状を引き起こします。この物質は加熱しても破壊できないので火が通っている食材でも危険です。重篤な中毒症状がみられる症例では命にかかわります。

 

~症状~

赤血球破壊による貧血に関連する症状が見られます。

可視粘膜蒼白(歯茎が白っぽい)

呼吸や脈が速い

嘔吐、下痢などの消化器症状

尿が赤~赤褐色(ヘモグロビン尿)

 

~治療~

食べてすぐなら催吐処置や胃洗浄を行います。

時間がたってからは点滴などの対症療法を行うしかありません。

腎障害などにつながることもあります。

 

中毒量は体重1㎏当たり15~20gといわれていますが、個体によって異なります。

特に日本犬は少量でも危険性が高いといわれています。

料理でよく使われる食材のため、ごみを漁って食べてしまい来院される方がとても多いです。

口にしてしまったときはすぐに病院に連れて行ってくださいね。