お知らせ

急性腎不全


今回は、急性腎不全のお話です

1歳の猫ちゃんが、食欲不振と嘔吐で来院されました。元々、いろいろなものを口にする癖があり、超音波検査上も胃腸の動きが悪く、異物による消化管閉塞を疑っていました。しかし、血液検査の結果を見ると、腎臓の数値(BUN、クレアチニン)が上がっていました。これは、腎臓の機能低下を示していますので、早急に治療をしないと命に係わります。異物による消化管閉塞も否定はできませんが、まずは腎臓の治療を行い、それに対する反応を見ていくことになりました。

急性腎不全とは…

数時間~数日で急激に腎臓の機能が低下した状態のことです。その種類は、腎前性、腎性、腎後性に分けられます。腎前性は腎臓への血流が減ることで起こります。腎性は腎臓そのものの異常で起こり、腎後性は腎臓よりも先(尿管、膀胱、尿道)の異常で起こります。症状は、食欲不振、嘔吐、尿が出ない、けいれん、ふらつきなどです。

今回の症例では、若齢であること、超音波検査上、腎臓の形態異常もないことから、慢性ではなく、急性腎不全が疑われました。また、検査上、腎前性と腎後性は否定的であったので、腎性が最も疑わしくなりました。誤食癖もあるため、腎毒性のあるものを食べた可能性もあります。原因は不明でしたが、幸いにも数日間の点滴治療で腎臓の数値も落ち着き、嘔吐も止まりました。

急性腎不全は重度の場合、命の危険があります。特に乏尿、無尿と呼ばれる、尿を作れない状態になった場合は、予後不良です。今回の症例は、尿を作ることができていたので、点滴治療の効果もあり、すぐに状態が安定してくれました。

 

猫に腎毒性があるものは、植物(ユリ)、レーズン、一部の医薬品やエチレングリコールなど多数あります。好奇心旺盛な猫は何でも舐めたり、口に入れたりするので注意しましょう。急性腎不全は完全に予防することはできませんが、誤食は防ぐことができるので、安全な環境を作ってあげましょう。