癌...怖い響きですね。
ワンちゃん、ネコちゃんも長生きしてくれるようになり、腫瘍性疾患の占める割合は増加傾向の一途を辿っています。
動物医療の水準は年々進歩してきていますが、あくまで診断方法の水準の進歩の割合が大きいことが現状です。病気はわかったけど...その後は?
動物医療に限った話ではありませんが、治せる病気と治せない病気があります。
治せない...根治が現実的に困難な疾患に直面したとき、動物医療は何も出来ないのか...
もちろんそんなことはありません。
ターミナルケア、つまり『残された時間を可能な限り生活の質を落とさず家族と過ごす』
これを目指していくことが腫瘍性疾患と関わっていく大事な軸となります。
10歳のコーギーちゃんです。尿道というオシッコを出す管のところに腫瘍が発生してしまい、それによって管が閉塞し自力での排尿が不可能になってしまいました。現状で腫瘍は限局的で、オシッコさえ出せれば生活の質を少しでも維持できる可能性があるため膀胱ろう設置術という手術を行いました。
手術は無事成功!飼い主様に膀胱ろうの自宅管理の手順をお伝えして通院治療を開始しました。
動物用の小型のウロバッグが無いため、定期的に自宅でカテーテルのコックを外して排尿してもらいます。排尿困難の辛さが解消され本人も元気・食欲良好です。