お知らせ

犬の潜在精巣


 

潜在精巣とは、性成熟の時期(生後6ヵ月)を過ぎても、陰嚢(いんのう;ペニスの下にある精巣を入れる袋)の中に精巣(睾丸)が入っていない状態のものをいいます。陰睾(いんこう)、停留睾丸とも言います。睾丸は2個あるので、停留精巣は片側(1個)に発生する場合も両側(2個)に発生する場合もあります。

犬の精巣は生まれる前に腹腔内の腎臓のわきに発生して、生まれる直前になると徐々に陰嚢側に移動を開始します。通常は生まれて1ヵ月程度たつ頃に陰嚢の中に精巣が収まります。しかし、何かしらの原因によって性成熟の時期(生後6ヵ月)を過ぎても精巣が陰嚢に収まらない場合があります。よくある潜在精巣の位置は腹腔内の膀胱付近や、後肢の内側つけ根(鼠径部)の皮下です。陰嚢内よりも高温状態にあるため、精巣腫瘍の発生頻度が上がると考えられています。そのため精巣腫瘍の予防として、潜在精巣を摘出する手術が行われています。

 

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潜在精巣を発見するのは比較的簡単で、陰嚢を触ってみて、生後6ヵ月を過ぎても精巣が2個触れなければ潜在精巣を疑います。

 

犬に症状は特にありません。ただし腫瘍化した場合は、脱毛や皮膚の色素沈着、雌性化による乳房の腫れ、乳汁分泌などが起こり、重度な症状として骨髄抑制による貧血、好中球減少症、血小板減少症を起こす場合があります。骨髄抑制が起きた場合には命を落とす危険もあります。

精巣が腫瘍化するのは中年齢を過ぎてからがほとんどですが、上記のようなことが起きないためにも、早めの去勢手術をお勧めします。