お知らせ

猫の眼内腫瘍


 

先日、眼からの出血を主訴に高齢の猫さんが来院されました。

右眼に比べ、左眼は腫大し、眼の中央付近からポタポタと出血が確認されました。角膜の潰瘍(角膜の傷)、浮腫、結膜の浮腫、前眼房内の混濁などを伴っています。

20210319_160705.jpg 20210320_173752.jpg

 

眼の超音波検査所見から、眼内腫瘍の可能性が強く疑われました。

3230--5_20210319_Thyroid_0008-2jpeg.jpg 右眼 3230--5_20210319_Thyroid_0002-2jpeg.jpg 左眼

 

正常な右眼に比べ、左眼の水晶体は確認できるものの、虹彩、毛様体は著しく腫大しており、正常な構造を留めていません。このような所見の眼は腫瘍性疾患を発症しているものと考えられます。

この猫さんの場合は、飼い主様と相談し、高齢であることやその他基礎疾患の存在から、積極的な治療は行わず、出血のコントロールなど緩和ケアを行いながら、生活の質の維持を目指すことになりました。

 

眼内腫瘍は詳しい検査が難しい病気です。確定診断を目指すには、病理組織学検査が有効ですが、そのためには眼球摘出が必要となります。また、眼内腫瘍の治療は可能な限り、外科手術による眼球摘出となります。そのため、眼球摘出することで、治療と検査を同時に行うことになります。

 

猫の眼内腫瘍では、悪性黒色腫(メラノーマ)が多いという報告があります。その他にもリンパ腫や眼球肉腫の発症の報告があります。いずれの腫瘍も悪性腫瘍です。治療としては、早期外科手術による眼球摘出が有効とされています。発見が遅くなると、腫瘍が他臓器に転移している場合もあります。

 

眼内腫瘍の発症は、多くは高齢の患者さんです。基礎疾患を持っていたり、発見が遅くなり、進行している場合もあります。そのため、診断、治療を進める場合には、飼い主様としっかり相談することが大切となります。

 

皆さんのペットの眼に何か気になることがあるときには、お気軽にご相談ください。