お知らせ

ノミの寄生について


暑い季節になり、ノミがついてしまったという犬さんや猫さんが来院する機会が増えてきました。

ノミは犬や猫の体表に寄生し、吸血しながら繁殖を続けます。あっという間にその数は増えていきます。

ノミが寄生することで犬や猫に起こる症状は、

・強いかゆみ、掻くことによる皮膚の自傷

・ノミアレルギー性皮膚炎(ノミの唾液に対してアレルギー症状を起こします)

・ノミ性貧血(寄生数が多いと吸血により貧血を起こします。命を落としてしまう程の貧血になる場合もあります。)

・ノミが媒介する瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)という寄生虫感染

・ノミやマダニが媒介すると言われている猫ヘモプラズマの感染(赤血球に寄生するマイコプラズマの1種で、赤血球を破壊して貧血を起こします)

などです。

また、人にもノミがついてしまうことがあります。人の皮膚でも吸血をしながら、移動を続けます。犬や猫と違い、繁殖することはできませんが、やはり強いかゆみを起こします。蚊に刺されるよりも強いかゆみです。子供はかゆみが我慢できないため、掻きむしり過ぎて、皮膚が化膿してしまうこともあります。

このように、ノミは犬さん猫さんだけでなく、人にとっても厄介な寄生虫です。

犬さんは散歩などの外出時に、外に出る猫さんもパトロール中や他の猫との集会などで寄生することがあります。ただ、完全室内生活の犬さんや猫さんでもノミ寄生の危険はあります。飼い主さんの衣服にノミ本体やノミの卵が付着してしまい、室内に侵入したり、ペット可のマンションではエレベーターやエントランスなどでの感染が起こりえます。

大切なのは予防です。

動物病院で処方されるノミの駆虫薬を使うことでノミの駆除、寄生を防ぐことが出来ます。

駆虫薬にも種類があるので、状況に合わせて使い分けます。

温暖化の影響や室内の暖房器具の普及により、冬場でもノミ寄生で来院される患者さんがいますので、当院としては1年通じて予防されることを推奨しています。