お知らせ

犬の緑内障について


 

緑内障という目の病気をご存じでしょうか。

犬の緑内障は眼球の圧力が上昇し、視神経が障害を受け視覚障害や失明に繋がる病気です。

眼球は柔らかいボールのような構造で、その内部は眼房水(がんぼうすい)という液体で満たされています。 

眼房水は通常は一定の量を保つように供給と排出がされていますが、何らかの原因によりそのバランスが崩れ、排出量が減ると眼房水が通常より多く溜まってしまいます。

 

 

その結果、眼球の中が眼房水でパンパンになり、眼圧が多くかかってしまい視神経が圧迫され、眼の痛みや視力に異常が出るのです。

 

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(写真)緑内障を発症した眼。眼圧は84㎜Hgと高眼圧。反対側の正常眼は23㎜Hgで正常範囲内でした。

 

緑内障に伴う症状には、以下のようなものがあります。

・目が飛び出たように大きく見える(牛眼)

・黄色い粘度のある目やにが出る

・目を痛そうにしばたかせる

・目が痛いので顔を触られることを嫌がる

・目が充血している

しかし、大きさの変化など見た目で異常が分かるほど進行しているときは、その時点で視力障害が起きており、失明している場合も少なくありません。

また、見た目に異常が現れる以外にも、行動に異常が現れる場合があります。

緑内障にかかると視野が狭くなり視界が悪くなるので、物に頻繁にぶつかるようになったり、ふらふらと頼りない動きをしたり、動きが鈍ったりするのです。さらに痛みから、普段よりも怒りっぽくなっていたり、元気がなくなっていたりします。

 

残念ながら、犬の緑内障は発見が遅く、視力を失ってしまうことが多いです。

出来るだけ視力を維持するためには、早期発見・早期治療が必要です。

たとえ軽度な症状であっても、眼の充血などがある場合には眼圧を測定し、緑内障の可能性がないかを見ておくことが大切です。

当院で使用している眼圧計は痛みもなく、麻酔など必要なく検査が可能です。