今年度も10月から秋の健康診断がスタートします。
昨年度は、約700件の健康診断を行いました。
春もあわせると年間1100件ほどの健康診断を行っています。
当院が健康診断を力強く行っている理由は、無症状の段階で慢性疾患を見つけ出すためです。
早期発見がなぜ重要なのかというと、
- 飼い主様が落ち着いて病気について理解できる
- 治療の選択肢が多い
- 早期の治療の開始により明確に寿命が伸びる
- 進行してからよりも、費用面での負担が軽減される
などがあげられます。しかし、もうひとつ獣医医療特有の理由があります。
- 夜間(または24時間)診療が現実的に行えていない
- 急な症状に対応できない場合がある
これらは特に地方での獣医医療に顕著であり、多くの飼い主さんの不安のひとつとなっていると思われます。日本は現実として患者数に対して小動物医療に携わる獣医師の数が足りているとは到底言えない状況です。
残念ながら、すぐに獣医師の数は増えていくことは期待できないため少しでも夜間や救急診療を減らすことが今の地域動物医療に現実的に出来ることと考えます。
そのためには、健康診断を定期的に受けていただくことで、飼い主様に今の(無症状での)動物の健康状態を把握していただくことが重要と考えます。
それによって、
- 普段から早めの治療を行っているため、単純に救急で病院を利用することが減る
- 仮に夜間救急を受ける際にも、動物の状況を救急医に伝えやすくなる
などの利点が望めます。
ワンちゃん、ネコちゃんには加齢に伴う慢性疾患があります。その中で慢性心臓病、慢性腎臓病などは早期発見が健康診断を行うことで可能となります。他にもありますが、これらの病気を早めに見つけることが結果的に患者様の救急性を下げ、飼い主様の不安を減らすことにつながると考えています。